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カリスマのHALのレビュー・感想・評価

カリスマ(1999年製作の映画)
3.9
数年ぶりに新文芸坐で鑑賞。黒沢清映画で役所広司といえばいつも地獄めぐりをしているイメージがあるが(そして途中から半覚醒していくような)、今回は地獄に降りるようなきっかけが映画の序盤に、なんならもう映画が始まるまえに終わっているようなところがあり、暗い森の中を彷徨う役所広司をたっぷり味わえる。大杉漣も黒沢組のイメージが強いが、今回見直してみるまで松重豊が出てくるのを忘れていた。みんなずっと森の中にいるけど、森の中を役所の人間?たちがウロウロしてるだけでそのエネルギーがどこからきているのかよくわからず、その謎の感じというか、森の中で人間たちが忙しくしている力学とかドラマツルギーみたいのがよく見えないまま進行していく。まぁそれが面白いと思って観ているのだけれど、見直してみてもやっぱり難しいなという印象は拭えない。最後の世紀末シーンは何度見てもゾワゾワするが、エンドロールの後に作品が撮られた1999って年代が出てきたのも怖かった。
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