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カリスマのmのレビュー・感想・評価

カリスマ(1999年製作の映画)
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力強く破壊力のある作品。
どう表してよいのか分からないけれど、好き。

黒沢清監督の作品は『CURE』『クリーピー 偽りの隣人』と今作で三作品目。
『クリーピー 偽りの隣人』は恐ろしく合わなかったけれど、『CURE』は大好き。
今作もめちゃくちゃ好きで、多分私は彼の90年代の作品が好きらしい。

「カリスマ」という木を巡る人々の戦い。
メタファーだらけの今作を、私はまだ理論的に感想が綴れない。
唯一思ったのは、ダーレン・アロノフスキー監督の『マザー!』に近いということ。
メタファーにメタファーを重ね、またメタファーを重ねる。

それでも戦争というワードに気付く。
暴力、善悪、尊厳、矛盾、命、など、世界を取り巻く全てが描かれている。
これを90年代にこんな大胆に描けてしまう監督に脱帽。

『CURE』と同じく浮遊感、不安定感が常にあり、どのシーンも気を抜けない。
役所広司さん演じた、薮池のたどり着いた答えがスッと胸の奥を突く。

全てを理解した!と気軽に言えないけど、凄く好きで大事にしたい。

演者が豪華。
役所広司さん、大杉漣さん(大好きでしたお顔見れて泣きそうになった) 風吹ジュンさん、松重豊さん、など実力派が無機質に狂気的にストーリーを進めていく。

コミカルな音楽が好き。

※ スコアはつけられません

ストーリー : ★★★★★
映像 : ★★★☆☆
設定 : ★★★★★
キャスト: ★★★★☆
メッセージ性 : ★★★★★
感情移入・共感 : ★★☆☆☆

cc/世界の法則を回復せよ
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