「三千代と平岡が結ばれることになった時、代助は親友・平岡のために喜びの涙を流した過去があった。しかし、それは青年期特有の義侠心の発露であり、自然の真情ではなかったことが、歳月を経るに従って明らかになった。〜そして、それからー。」
あれ、草笛光子って犬神家の一族でも「梅子」って役じゃなかったっけ。
’85年発売のレーザーディスクに書かれた80年代のチャーミングな日本語:
「好くってよ、知らないわ」が口グセの長井家の娘。
予告編が「悲情城市」の予告編に似ていて笑えます。
「それから以後、どうだい?」
「つまり、、、食うために働くからでしょう」
「三千代、長井が働かないのは何故だと思う?大袈裟に言うと、日本と西洋の関係がだめだから。日本ほど借金拵えて、貧乏ぶるいしてる国はないそうだ」
「こう西洋の圧迫を受けている国民は頭に余裕がないから、ろくな仕事は出来ない。自分のこと、自分の今日ただいまの事より他には何も考えちゃいない」
「君は自分の顔を鏡で見る余裕があるからそういう事になるんだ。忙しい時は誰だって自分の顔のことなんか忘れているじゃないか」
「君と菅沼が文学部で、俺一人が経済で。」
「僕はのんきな身分のように見えるけれども、何か必要があって自分以外のことに手を出そうとすると、まるで無能力になるんです」
「なんだ元禄時代の色男のようで可笑しいじゃないか」
「お味いかが?」
「ええ、西洋料理の味がします。」
「本当に。」
「昔は多少の田畑もあったのに、日露の戦さの時に人に勧められて、株に手を出して。やり直すつもりで北海道に渡ったんでしょうけど。」
「寂しくていけないから、また来てちょうだい。」
「わたしだってあなたがそう言ってくださらなければ、生きていられなくなったかもしれませんわ」
「自然に背いて企てた悪事だ」
「誠者天之道也 非人之道」
「出て行け!」