きゅうげん

エルム街の悪夢2/フレディの復讐のきゅうげんのレビュー・感想・評価

3.7
転校生ジェシーは部活も恋愛も全力投球!
充実した高校生活を過ごしていた……かに思えたが、最近は悪夢ばかりで寝覚めが悪く……。

スクールバスが郊外住宅地から地獄のような荒野へ飛び出すも内気な少年はなにも打つ手がない、という開幕を飾る悪夢は、主人公とこの物語のテーマを端的に表現していてベターな内容です。
フレディの身体のっとりシーンもその特殊効果には目を見張るものがありますし、傷口に蛆虫とかお手製人面犬とか悪趣味さもなかなかエグめ。手首から前腕がパックリ裂けちゃうのマジ無理。
強気なお嬢様ヒロインとかなんだかんだ仲良いライバルとか、80年代青春モノの定型をあえてズラしたキャラ造形もいいですね。


ただ、フレディが夢と現実とを自由に行き来できる!という続編としてのフックが、『エルム街』としてのオリジナリティを揺るがす問題になってしまっている点が見過ごせません。
ユング心理学に裏打ちされたウェス・クレイヴンの悪夢観はたち消え、フレディにおける夢というものが超常現象表現に換骨奪胎されてしまっているのです。
そもそも『エルム街』ってスラッシャー映画とはいえ、プログラム・ムービーには向いてない題材な気がします。
次作はウェス・クレイヴン再登板とのことですが、原作者はどう舵を取ったのか気になります。