止まれぬ少年へ
【キアロスタミの長編処女作】
⬛️キアロスタミ氏のことは「友達のうちはどこ?」くらいでしか存じ上げないのですが、子供の走る姿に図抜けた無我夢中があるのは今作とも共通していました。
⬜️〈あらすじ〉
サッカーに夢中の少年ガッサムが、首都テヘランで催されるサッカーの試合を観に行くべく無計画に奔走してゆきます。
少年ガッサムの後先考えない無謀さがずっと溢れているようでした。さもなければ母親に叱責を飛ばされてしまうかもしれないから、学校の先生に叩かれるかもしれないから
自分の抱く恐怖すら払拭して全速力で現実から逃げるその背中には、破滅と空虚が映っていました。
【リアルという単位なまとめ】
🏃♀️だが、私は彼にどうしても言いたい。止まれよ。
というのも、ガッサムの無鉄砲ぶりが過去の自分を観てるようで無性にイライラしてしまったのです。しかしそれは裏を返せば本当の子供の姿が映っていたという裏打ち。子供を理解するキアロスタミの手腕にはとっても脱帽です。