萌える闘魂

マダム・サタンの萌える闘魂のレビュー・感想・評価

マダム・サタン(1930年製作の映画)
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デミル監督自身この作品を気に入ってはいないという逸話がある怪作。映画史上これだけ「狂った」作品は存在しない。それは物語においても映画の見せ方においてもだ。前半の凡庸なデミル監督の社会劇風ドラマを見せられてダルくなったところから物語は後半比類の無い狂い方をし始める。詳細は控えるが1930年当時の特殊撮影と何物かに取り憑かれたような演出により阿鼻叫喚の展開をし続ける畳み込み方は最早監督ですら制御不能状態に陥るほどの猛威である。しかしながらデミル監督のスペクタクルな演出と人間ドラマがこれほどの完成度で一体化された作品もまたとあるまい。特に「最後のアクション」は「インディージョーンズ」シリーズも真っ青なド派手なアイデアであった。