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-less [レス]の消費者のレビュー・感想・評価

-less [レス](2003年製作の映画)
3.7
・ジャンル
クリスマスホラー/オカルト/ドラマ

・あらすじ
ある年のクリスマスイヴ
ハリントン家と娘、マリオンの恋人であるブラッドは母方の祖母宅へ向かい夜道を車で走り続けていた
しかし眠気覚ましの為に父、フランクが近道をしようと高速道路を抜け林道に入ってしまった事から徐々に奇妙な事が起こり始める
赤ん坊を抱き抱えた白い服の女性の出没、何度も現れては一行を1人また1人と拐い命を奪っていく黒塗りの車…
やがて聞き馴染みのないマルコットという町への標識が現れた事で彼らはひとまず人里を目指そうと進んでいくが悲劇が止まる事はなかった
果たして一家は林道から脱出出来るのか?
彼らを襲う者達の正体とは?

・感想
クリスマスホラー月間DAY-22
昨晩観た「デス・ロード」と同様に抜け出せない道に迷い込むストーリーなので鑑賞
本作にはのちに「インシディアス」シリーズで名を馳せる事となったリン・シェイが出演している

何年も前から不気味ながら美しいパケ写に惹かれ気になっていた作品
それだけにかなり期待して観て実際それなりに面白い内容ではあったものの期待を超える出来ではなかったかな

死んだ赤ん坊を抱き抱える謎の女性と一家の面々を次々に拉致しては殺害していく黒塗りの車、という怪異的存在
死者が相次ぐ中で様々な秘密が明かされていき絆に綻びが生まれていく展開
これらはそれこそ「デス・ロード」に期待した内容で楽しめる
一方でそれぞれ無惨な死に方をしても遺体がほぼ映されないまま話が進行していったりポップコーンムービー的な安っぽいコミカルさが目立ったりという粗がどうしても気になった
それらを排除して徹底的にゴシックホラー的なパケ写の様に美しくも不気味な世界観を貫いていればもっと面白かった様に思う

また一家を襲った悲劇の真相が過剰に説明せず描写だけで示唆されるラストも悪くなかったけどあっさりし過ぎていたのも惜しい
恐らく一家は自覚無く白い服の女性と赤ん坊であるその娘を衝突事故で死に至らしめており、家族が殺されていったのはその報復
実際の家族は事故の時点で娘、マリオン以外全員が生死を彷徨う重体になっており車の主にして彼らの命を奪っていった黒ずくめの男は死神という事
オチとしてそれは別に悪くないんだけどいかんせん不気味さの演出が弱いのがとにかく惜しい
マリオンだけが助かったのも母親だった女性の温情による物だったんだろうけどそれならそれで親子関係という物をもっと深く芸術的に描くべきだったかと…
あとは死の間際に母が目撃していた亡霊達もちゃんと姿を拝みたかったかな…

そんな感じで微妙な部分も多くはあるけどただ殺されるだけではなく家庭内の不和に導かれる死なんかもあって全体的には悪くなかった
もっとちゃんと作り込んでリメイクされたら普通に観たい
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