松井の天井直撃ホームラン

わが町の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

わが町(1956年製作の映画)
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↓のレビューは。今はもうなくなってしまった映画レビューサイトに、鑑賞直後に投稿したレビューを。こちらのサイトに移行する際に、以前のアカウントにて投稿したレビューになります。えけ

☆☆☆★★★

「このアホンダラ!わいを誰や思てけつかるんや。」

「ええか!わいはな、ベンゲットのタァさんでっせ。」

「フィリピンではなぁ、仰山の日本人が道路の工事で死にはったんやで!」

「それなのにあんたらと来たら。わいの事を『無法松の一生』の2番煎じゃないかなどと言いくさってからに、」
「このアホンダラ!」

「ええか、よう耳の穴かっぽじって聞きさらせ。」

「向こうがなぁ、『わが町』をパクッとるんでっせ。」

「嘘や言わはるんなら光り輝く南十字星に聞いてみたらええんや。」

「大体やな、わいらは体張って仕事しとるんでっせ。」

「それを何や!」

「あの天ぷらやの小僧かて、ちぃとばかしわてよりも潜りが上手いから言うてやな、大事な孫娘を使うてわいの商売道具を…けったくそわるいわ。」

「誰や!同じ事を繰り返しているだけや何て言うたんは。」

「ええか、これがストーリーテリングちゅうやっちゃ。」
「見てみい、自然と涙が溢れて来よるやろ。」
「川島雄三はんの傑作でっせ。」

「それなのに知らんふりされたら、そら叶わんがな。」
「頼んまっせほんまに。」

「ほな2人の幸せを南十字星に祈って来るさかいに。」
「これまでのわいの事は堪忍やで。」

「ほなな。」

2010年 1月18日 新・文芸坐