Aix

夏の夜は三たび微笑むのAixのレビュー・感想・評価

夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)
3.8
世界一偉大な映画監督ことイングマールベルイマンが監督しカンヌ国際映画祭で詩的ユーモア賞を受賞したラブコメ映画。郊外の別荘に集まった男女の話。

ベルイマンはラブコメでも傑作を撮ってしまいました。今作はちゃんと笑えるし、下品だし、人間とは何なのかを鋭く描いているのが素晴らしかったです。話によると今作の成功を持ってしてベルイマンは第七の封印や野いちごのようなシリアスで哲学的な作品を撮れるようになったそうですが、その割には今作もしっかりベルイマン映画だったと思います。手当たり次第女優に手を出したり、息子が新学校に通っている設定など、ベルイマンの自伝的な要素がかなり組み込まれていました。
撮影はお馴染みのグンナールフィッシェルでめちゃくちゃ綺麗だったし、役者陣の演技や演出も迫力があって良かったです。ストーリーは純粋に面白く、瞬間瞬間に爆発的な緊張感が発生していてさすがでした。特にラストのロシアンルーレットは凄かったです。

ベルイマンファンにはオススメ出来る作品です。ラブコメと言えば無駄に洒落た雰囲気を気取っている上に、ストーリーが空っぽで嫌いなことも多いけど、今作はそういったラブコメの悪いところがほとんどなかったと思います。
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