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夏の夜は三たび微笑むのstanleyk2001のレビュー・感想・評価

夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)
3.7
『夏の夜は三たび微笑む』(Sommarnattens leende、Smiles of a Summer Night)1955 スウェーデン

「若者は自分しか愛さない。恋に恋しているだけだ」

「男たちはみんなデジレに夢中になる。でもデジレは自分以外愛さない女」

「夏の夜は三たび微笑む。悲しい者、虐げられた者、夢破れた孤独な者のための微笑みだ」

37歳のベルイマンはプロデューサーから「この映画がヒットしなかったら君の監督人生は終わりだ」とプレッシャーをかけられる。胃の痛み、女優ハリエット・アンデルソンとの破局に悩みながらシェイクスピアの『夏の夜の夢』をヒントにしたロマンチック・コメディを作る。

作品はヒットしてベルイマンは『第七の封印』を撮ることが出来た。

後の哲学的な映画とは全く違うロマンチック・コメディをベルイマンは手堅く仕上げた。

原案はシェイクスピアの『真夏の夜の夢』だと思うけど夏の夜の恋の喜劇という点くらいしか共通項はない。自由な翻案という感じ。

巨匠の未来を切り拓いた一品。

キューブリックにとっての『スパルタカス』、黒澤明にとっての『姿三四郎』という位置付けかも。
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