アトミ

夏の夜は三たび微笑むのアトミのネタバレレビュー・内容・結末

夏の夜は三たび微笑む(1955年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

70点

フレードリック・エーゲルマン弁護士は昔の愛人だった女優デジレー・アルムフェルト嬢(2年付き合ったが手ひどくフラれ未練タラタラ)の芝居チケットをゲット。
結婚して2年の愛する若妻アンと観に行くことに。

屋敷に戻ったフレードリック。
出迎えたペートラ(メイド18歳)は紳士なフレードリックに憧れを抱いており、神学校に通うの息子ヘンリック(前妻との子)はアンに恋心を抱いており、難しい本を読み聞かせていた。
目の前でイチャイチャする2人は16時からの芝居に備えて寝室で昼寝。
面白くないヘンリックはペートラにいきなりキス。
が、ビンタされ子供扱いされてしまう。

そんな中。
ベッドで昼寝中のフレードリックとアン。
フレードリックは寝ぼけてアンのオッパイ触ってキスし「デジレー君が欲しい」と言ってしまう。


劇場。
アンは主演がデジレーだと知ると突然泣き出してしまう。
「帰りたい」と言い出すアンをフレードリックは連れて帰った。

屋敷に戻るとヘンリックとペートラが宴会していた形跡を見つけ、これまたアンのご機嫌を損ねる(ヘンリックは気まずく目をそらす)。
フレードリックはヘンリックとペートラをくっつけても良いと考えているからご機嫌。
が、ヘンリックは好きじゃない相手だから違うと納得してない(てか初体験は失敗し、ペートラに慰められたようだ)が、フレードリックは女も馬もガンガン乗りゃいい。愛は歳を取らなきゃできないと諭す。

フレードリックは寝室に行きアンを慰める。
アンはフレードリックに「例えばヘンリックと仲良しになったら嫉妬する?」と質問。フレディックは「もちろん嫉妬する」と答えた。
愛されるとわかるとアンは落ち着きを取り戻し「あのデジレーって女優は50歳オーバーのおばさんだわ」と言って眠りについた。

フレードリックが寝室から出て来るとヘンリックはペートラに本を読み聞かせていた(陰から様子を伺う)。
が、ペートラにはちんぷんかんぷんで全く興味が湧かない。そんな事よりフレードリックの事を考えていたと言い出すペートラはアクビをしながら寝室に帰って行った。

フレードリックは皆が部屋に戻ったことを確認しこっそり屋敷を抜け出し、劇場バックヤードへ行き、デジレーと再会。
デジレーはフレードリックを楽屋に招き入れた。

フレードリックは昼寝で寝ぼけてアンにデジレーと言ってしまったが何とか誤魔化せたと話した。が、デジレーをババアだと言ってたと伝えると「それは誤魔化せてないわよ」と警告した。
アンはまだ処女。フレードリックはアンのその気持ちになるまで待っている。初めて心から愛した人だと話した。
デジレーは遊び人のフレードリックが愛を語り、悩ませるアンを大した女だと褒めた。
が、フレディックは自分が「年老いたヤギ」ゆえ不安。旧友のよしみで助けを求めた。

とりあえずデジレーはワインを飲もう自宅へ誘う。
と、フレードリックが自宅前の水溜まりに落ちてビッチョンコ。
軍人の今彼のマルコムの服を借りる。マズイだろとビビるフレードリックの目の前に3歳くらいの男の子が歩いて来た。

デジレー「フレードリックよ」
フレードリック「フ、フレードリック?」
デジレー「これは私の子。あなたの子なんて産まない」
フレードリック「母親の柄か?」
デジレービンタ。ド不機嫌になる。
と、ばあやのマラがワインを運んで来た。
デジレー「それ飲んだら帰って!」

ブチ切れたデジレーはブチ切れ過ぎて何を言うか忘れてしまが、とりあえず昔結婚する気もなく、浮気されまくりだったことを思い出してイラつくデジレー。
「自分の事ばっか。若妻のことなんてどうでもいいわ。勝手に悩めば?」と突き放す。
と、マルコム伯爵がやってきた。
自分のパジャマを着ている旧友フレードリックを紹介されたマルコム。変な空気になりデジレーは服が乾いてるか吹き出しそうになりながら見に行く。

マルコムは自分は嫉妬深く、犬も猫も旧友も好かんとフレードリックに警告。
フレードリックは理解を示す。が、弁護士など社会の寄生虫だと言われ、近々戦争の予定のない軍人は暇でしょうなと嫌味を言い返した。
フレードリックはガウンは返せと言われ、パジャマ姿で帰る羽目に。
と、玄関を出た所でマラがフレードリックの洋服を持ってきた。
そしてデジレーが「仲直りを期待してた」と聞かされた。


翌日。
デジレーは母の屋敷を訪ねた。
そしてマルコムと別れ、本人には言ってないが夫候補がいると伝え、パーティーを開いて欲しいとおねだり。
客はマルコム伯爵夫妻とエーゲルマン弁護士夫妻と息子。

一方。
射撃訓練中のマルコム伯爵は愛人デジレー宅に弁護士ヘンリックがパジャマ姿でいた事を夫人シャロッテに話す(公認の愛人?)。
マルコムは暇ならとシャロッテに「アンに会って夫の浮気を教えてこい」と指示される。
「妻ならともかく愛人を取られたらトラになる!」と嫉妬に燃えるマルコムが去った後、シャロッテはそのドアに向け発砲した。

一方。
アンは日課の庭の水やりを食事係のベアータに済まされてしまっていたためヘンリックを冷やかしに行く。
が、ペートラとイチャイチャしてたことを思い出し突然ブチ切れて涙を流しながらビンタ。部屋を飛び出して行く。
アンはフレードリックの書斎へ行き甘えだす。が、仕事で忙しそうなので出て行く。
孤独を感じていると伯爵夫人シャロッテが来客。昨夜フレードリックがデジレー宅からパジャマ姿で出てきたのを目撃した人がいるとチクる。
アン「その話は知ってる。そこにはあなたのご主人もいたのよ?町中の噂よ」と慰める。
が、シャロッテは逆ギレして「夫が何しようが関係ない!」と強がったが「憎い!憎い!でも愛してる」と本音を漏らす。
アンは男達が夢中になるデジレーが気になる。
と、フレードリックが現れ、夫人に挨拶。
デジレーの母(アルムフェルト夫人)からパーティー招待券が届いているとアンに報告。
が、アンが行きたくないと言ったのでフレードリックは断る返事を書こうとした。
が、アンは「行く」と言い出した。

パーティー当日。
アルムフェルト夫人屋敷に集まるフレードリック夫人、ヘンリック、マルコム伯爵夫妻(ペートラはアルムフェルト夫人の執事のおっさんフリードに送ってもらい到着)。
皆に挨拶を交わしたデジレーは化粧直しがしたいというシャロッテを部屋に案内し、計画を話す。
デジレー「休戦しましょう。あなたはマルコムを取り戻し、私はフレードリックを取り戻す。まずは夕食の席順よ。」

夕食。
正面(アルムフェルト夫人)から見て右からマルコム、デジレー、ヘンリック、アン、フレードリック、シャロッテの順に横並びでテーブルにつく。
大人達が恋愛を攻撃だの戦略だの語るもんだから真面目なヘンリックは「恋愛は戦争か?」とイチャモン。デジレーが「戦争やゲームと同じよ」と答えると落胆する。
シャロッテはフレードリックを15分で誘惑すると言い出すとマルコムがバカを言うなと嫉妬。デジレーは試せばいいじゃない?と賭けを申し込む。
皆がワインを乾杯しようとした時、アルムフェルト夫人が「このワインを口にすると恋の魔力に囚われる言い伝えがある、ご注意を」と警告。
各々目論みを抱きワインを飲む。
が、ヘンリックだけはヤケ酒的に飲み、テーブルにグラスを叩きつける。
フレードリックは注意するが、ヘンリックは日頃の皇帝の様に偉そうにされ、悩みにも皮肉を言われてるストレスで口答え。ブチ切れてグラスを壁に投げつける。
好きなだけ割りなさいとグラスを渡すデジレーに「アーティストはウソ偽りが平気なのか?」と詰め寄る。笑えばいいと言われたがその気力もなく落ち込むヘンリックを心配するアン。それを見たフレードリックは気づいてしまう。
死にたいと嘆くヘンリックにマルコムは「人の心を乱すのが聖職者の仕事だからな」とイヤミを言われ、立ち上がりマルコムの肩を掴む。が、殴れば負けと言われヘンリックは皆に謝罪し部屋を出て行った。
追いかけるアンだが立ちくらみ。部屋で休みたいとフレードリックに言い、ペートラが抱き運んだ。
場がシラケたためアルムフェルト夫人は皆に離れでコーヒーを飲もうと誘う。

アンの気持ちに気づいてしまったフレードリックにシャロッテが近づき「癒してあげる」とキス。若い女からの誘惑を警戒するフレードリックだが「私は危険な女なの。どうする?」と言い離れへ。フレードリックもついて行く。
離れではデジレーが弾き語りを披露。優雅な時間が流れていた。


夜明け。
ヘンリックは自己嫌悪。自殺を決意する。
が、窓から庭でペートラとフリードとキャッキャイチャイチャ遊んでいるのを見かけた。
「神よ。僕は罪を犯したい」と本音を漏らし、首を括ったがロープがハズレ「秘密のカラクリスイッチ」を押してしまう。
それは「逢い引き用スイッチ」で隣の部屋からアンが寝ているベッドが登場。
ココは天国か?と勘違いしたヘンリックは水を被ってみる。
そして眠るアンの首にキス。目を覚ましたアンはヘンリックと気づき「ずっと愛してた」と告白。「自分もだ」とヘンリックは返事。2人は熱いキスをする。

夏の夜の1度目の微笑み(真夜中と夜明けの間)。
若い恋人たちが心とからだを開く。が、愛の恵と罰を受ける。
と、フリードがビールを飲みながらペートラにロマンチックな言い伝えを話す。
と、突然ヘンリックが現れる。
ヘンリックとアンは外にいたペートラとフリードに馬車を用意してもらい駆け落ちした。
それを偶然目撃したフレードリックは落ち込む。

夏の夜の2度目の微笑み。
救いのない間抜けや愚か者のための微笑み。
フリードはさっきペートラに結婚すると約束したが「忘れた」と言い出しキレられる。
シャロッテは離れでフレードリックを誘惑。
それを自分の部屋から見ていたデジレーはマルコムを呼びに行き、言いつける。
マルコムは「愛人ならともかく妻を奪われればトラになる!」と言い離れに飛んで行く。
マルコムはシャロッテを外に出し、フレードリックとロシアンルーレットを申し出る。

銃声が響き、マルコムが出て来た。
爆笑マルコムはそもそもフレードリックと勝負などする気はなく、弾ではなく「スス」を詰めていた。そしてデジレーとシャロッテの魂胆も気づいていた(コーヒータイム前のヒソヒソ話で)。
シャロッテ「賭けには勝ったから願いを叶えてもらう。あなたが欲しい」
爆笑マルコムは降参し永遠の愛を誓いキスをした。

離れ。
こめかみが真っ黒のフレードリックを起こすデジレー。悲劇の主役を慰める。
フレードリックは息子に同じ名をつけた理由を聞いた。
デジレーは「男の子にはいい名前だから」と答え、葉巻に火をつけた。

その頃。
ペートラの強引なプロポーズを受け入れフィアンセとなったフリード。
夏の夜の3度目の微笑み。
悲しい者、虐げられた者、夢敗れた孤独な者のための微笑み。

ペートラ「愚か者は朝のコーヒーね」
2人はコーヒーを飲みに戻った。






というお話。
ポップなコメディー作品。
こういうイチャイチャしたの嫌いじゃない。
ドロドロもしてないし、皆ハッピーに清々しいホント夏が似合うかも(昔の人は厚着だからそこの夏っぽさは欠けるけど)。

デジレーがアンに50歳オーバーと言われ「気づいてる」と言うシーンとデジレー宅でフレードリックとマルコムが変な空気になり吹き出しそうになるデジレーのシーンとかいいよね。
アトミ

アトミ