ねこねここねこ

アンノウンのねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

アンノウン(2011年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

愛する妻と共に学会のためにベルリンにやって来たマーティン・ハリス博士(リーアム・ニーソン)
空港に大切な🧳ブリーフケースを忘れて妻のエリザベス(ジャニュアリー・ジョーンズ)を残したまま慌ててタクシーに飛び乗るが、途中事故にあって記憶を断片的になくしてしまう。運転していたジーナ(ダイアン・クルーガー)は無免許のモグリ。無理矢理退院してジーナに会いに行くが追い返される。
身分証明できるパスポートも何もないままなんとかホテルに戻り、そこでパーティに参加していたエリザベスにようやく会って安心するも、エリザベスからは知らない人だと言われ、なんと見知らぬ男がマーティン・ハリスを名乗っている。
混乱してなんとか自分がマーティンであることを証明しようと病院の看護師から紹介された探偵のユルゲン(ブルーノ・ガンツ)やジーナの助けを借りながら真相に迫ろうとするが…。

まぁ最後まで楽しく観れたけど、妻が誰からも脅されてる感じがしないこと、偽のマーティンがブレスラー教授との電話の内容までも知っていること、写真まであることや執拗に組織に追われてることなどから、途中で実は彼こそその組織の一員で、邪魔になったから狙われているのだとわかってしまう。
この辺りはトータルリコール的で、以前の自分は相手側の組織の一員だったというのが手法として使われてることが多い。なぜか記憶が戻ると組織とは敵対する関係に。
以前の自分を全否定だけど…。

印象的なのは、妻から「Do I know you?」と言われること。「Do you know me?」よりなんかショック。はぁ?あなたのことなんて知りませんけど?って感じ。
妻にとっても誰にとっても見知らぬ存在になってしまった自分はいったい誰なんだ?
ってわけで「Who am I?」と叫びたくもなるよね。
そんなアンノウンの存在から脱出するために頑張る主人公。身体は以前の動きを覚えてるから簡単にはやっつけられなくて済むけど、ジーナの部屋に泊めてもらうのに、「僕は君にとって危険な存在じゃない」って、いやいやかなり危険に巻き込んでるよね。この辺の台詞はなんか陳腐。

結局資本提供している王子を狙う振りをして実はブレスラー教授のトウモロコシの開発を狙い、将来的な飢饉において莫大な富みを得たい誰かが組織を使ってるわけで、実はもともとその組織の一員でテロ行為も躊躇しない人間だったはずなのに、事故で記憶を失ってからは良心に従う良い人に。
この辺はなんかしっくり来ないけど、よくあるパターンではある。でももう少し自分の中の葛藤とか描いて欲しかったかな。
最後にニコニコと新しいパスポートを手にジーナと二人で列車に乗り込まれてもね…モヤモヤが残るラスト。

エリザベス役のジャニュアリー・ジョーンズはなんか、ニコール・キッドマン的な美しさ。ジーナ役のダイアン・クルーガーも魅力的だし、ユルゲン役のブルーノ・ガンツも良い感じ。もうあの組織に狙われたら逃げられないのだから、ジタバタしないで青酸カリ飲むっていう決断をする表情がなんとも良い。スパイ同士のリスペクトが感じられるシーンだ。

最後は新しいパスポートで出発するジーナとマーティンだけど、同じ姓ってことは夫婦の設定にしたの?素朴な疑問としてユルゲンが白旗掲げて自殺したような組織なのに追手は来ないのかな?というツッコミもあるけど、まずまず楽しめた。