富士山

ぼんちの富士山のレビュー・感想・評価

ぼんち(1960年製作の映画)
4.0
再掲。市川崑作品を見る企画進行中。山崎豊子さんがかなり不満を持っていたことは有名ですが、やはり、市川夫妻の作品になっているように感じました。だらしない男とたくましい女という市川作品のテーマが強く押し出されているように思います。そのため、確かに粋でしたたかな「ぼんち」の姿はかすんでいますが、代わって、大阪商家での女系社会の文化と矜持が強調された内容になっていました。特にきのおばあさんが真の主人公、もしくはラスボスのように、主人公に立ちふさがる女系社会を代表するものとして、圧倒的個性を持って描かれているのが印象的です。
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