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ぼんちのnのネタバレレビュー・内容・結末

ぼんち(1960年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大阪・船場で四代続く足袋問屋の跡取り息子として生まれ、莫大な富で四人もの妾を囲って暮らした遊び人…という設定の人物にすんなり感情移入できてしまうから大した作品である。何だこの読後感は、と困惑さえ覚える。
次々に女性たちと恋愛関係になる主人公のきくぼん(喜久治というらしい)だが、そんな自分に酔うでもなく、彼女たちに寄り掛かるでもなく、過不足なく世話をし、といって彼女らを支配するようなこともさらさらなく、そして窮屈な商家のしきたりにも、老舗の権威を笠に着て嫁をいびる祖母と母にも、とにかくずっと辟易していて冷めている、この不思議な距離感と温度感と堅実さに、他の出演作にも通じる雷蔵ネスを感じたが、小説は未読なのでこれが原作通りなのかどうかはわからない(山崎豊子はあまりこの映画を気に入っていなかった由)。
それにしても「ぽん太」って名前、可愛すぎる。
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