るる

ぐるりのこと。のるるのネタバレレビュー・内容・結末

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

公開当時から気になっていたのに、見るのが遅くなってしまった。でも、あのころに見ても、ピンとこなかった気がする。結果論だが、良さがわかるようになった今、見れてよかった。

淡々と、ヒリヒリと、しかし優しく進む時間。めまぐるしかった90年代を傍聴席という場所から描いていく、日常に亀裂が入っても仕事はある、凄惨な事件が社会で起きても、日常は続いていく、淡々と、しかし、しみこむように、日々は過ぎていく。

リリー・フランキーへの苦手意識が覆された。木村多江さん、幸薄そうな、儚げで哀れっぽい、しかしキュートな女性像が良い。地味な映画だが豪華キャスト。加瀬亮がすごい。

鬱なんて言葉は、まだ一般的じゃなかった。宗教への胡散臭さが増したのは、一連のオウム事件後からだった。日常の些細な言葉に心脅かされる、鬱病の妻の姿に、涙が出た。

明星の主題歌が良いですね。素敵なラストシークエンス。ナルトのエンディングを歌ってたんだっけ、監督最新作の『恋人たち』にも楽曲提供しているとのことで、まだまだ活躍してたんだなあ、嬉しい再会。

心を整えたいときに。
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