くま一家

ぐるりのこと。のくま一家のレビュー・感想・評価

ぐるりのこと。(2008年製作の映画)
4.6
生々しい表情と仕草の積み重ねで描かれた「日常」。悲哀、不安、絶望、よるべなさに満ちた毎日。世間の闇と不条理と、身近にある些末な、でも確実に自分に向けられた悪意の欠片たちが自分を蝕んでいくとしたら、人は孤独に倒れるしかない?
でも、一緒に居るよ。
だからこそ、一緒に居たい。

直面した現実により壊れていく木村多江と、仕事や家庭で目にした光景を描いていくリリーと、別々の対処行動だけど、受け止める、と二人とも決めたんだ、と思いました。好きだから、ちゃんとしたい。好きだから、笑顔が見たい。お互いの支え「愛」がようやく一つになった頃に満開となる、二人で産み出した一面の花景色に胸打たれました。傑作。
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