ハレンチ学園在学生

放浪記のハレンチ学園在学生のレビュー・感想・評価

放浪記(1962年製作の映画)
3.6
約20年ほど前にラピュタ阿佐ヶ谷で見て以来の再見。哀愁の加東大介の存在くらいしか覚えていなかった。高峰秀子の林ふみ子がモノローグで話を進めて行く。「放浪記」ができるまでといった感じ。晩年、作家として成功し母の田中絹代に胸に飾りのついた着物を着させている姿を、印刷会社の社長になった加藤大介が「瑤泉院みたいですね」というのには笑った。作家仲間の伊藤雄之助が林の作風を「ゴミ箱の中のゴミを晒して見ているよう」と評した台詞が、本作を表しているようでもあり、赤貧洗うが如しの生活と、わかっているのにダメンズに裏切られてばかりの男運のなさを高峰が熱演すればするだけある種の身も蓋もなさを感じて、作品に没入することができなかった。