たけちゃん

放浪記のたけちゃんのレビュー・感想・評価

放浪記(1962年製作の映画)
4.0
作家林芙美子といえば「花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき」が有名らしいですが、私が子供のころ、昭和17年生まれの母の学生時代のアルバムにこの詩がかかれており、子供心に人生って儚いんだなと思った覚えがあります。
この映画「放浪記」はそんな林芙美子の私小説で成瀬巳喜男監督と高峰秀子さんの黄金コンビで撮影されています。
華々しさとは無縁の映画なんだけど、この時代の建物や雰囲気なんかが逆に新鮮ですし、この映画では高峰さんの一人語りが印象的なのですが、林芙美子さんの力強い文章のせいもあり、すんなりと映画の世界観に没入できました。
成瀬巳喜男監督と高峰秀子さんの映画はホント引き込まれます。

尚、最初の言葉は、林さんがよく色紙にかかれた言葉らしいですが、下記のようなものもあったようです。
花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かれど、風も吹くなり 雲も光るなり。

また今東京タワーで「高峰秀子生誕100年プロジェクト」(2024年3月28日(木)~5月6日)をやっているので見に行きたいのですが・・・遠いです😥