TakedaKatsuya

パンダコパンダのTakedaKatsuyaのレビュー・感想・評価

パンダコパンダ(1972年製作の映画)
3.8
高畑勲、宮崎駿コンビの作品ということで昔から知っていたものの、観るのは初めて。日中国交正常化を記念してパンダを送られた時期に作られた短編なんだけど、かなり変な作品だった。よくトトロの原型と言われているが、物語自体はトトロとは違って擬似家族もの。動物園を抜け出たパンダの父子が両親のいない少女ミミ子の家にあらわれて家族になる話。お父さんがいないミミ子はパパパンダを存在しなかった「父」として捉えつつ、コパンダに対しては「ママ」として振る舞う。映画自体はドタバタ喜劇でジブリの原型といえる動きの良いアニメーション作品。ミミ子がコパンダを助けるために川に飛び込みダムで間一髪になるシーンなんか、水流の中でミミ子の右手が流されないように川底を掴んでいる作画はかなりの出来だと思う。物語の整合性なんてない。少年のゴッコ遊び(チャンバラなど)は作品などから起草されてやるものだが、これは逆に少女のママゴトから着想して作られた映画と言える。少女の遊びの想像力は常に母との生活の中にあり、それを捉えたという意味では凄い作品だと思った。と、同時に少女がやたらに自立したものとして描かれる中、逆立ちしてパンツが見える表現も多用され、やはり宮さんはやべぇな、と…。まあ、ね(笑)