ハレルヤ

さよなら、僕らの夏のハレルヤのレビュー・感想・評価

さよなら、僕らの夏(2004年製作の映画)
3.7
少年たちの一生忘れられないひと夏の出来事を描いた青春ドラマ。この題材だけ見ると誰もが「スタンド・バイ・ミー」を思い浮かべるでしょう。僕もそうでした。

タイトルもノスタルジックらしさが出ていて、好みの青春ものかと思っていましたが、内容は想像以上に重く心にグサッと刺さるもの。

普段同級生のジョージから理不尽ないじめを受けている主人公のサム。弟思いの兄ロッキーとその友人のクライドはその復讐を企てる。軽いお返しのつもりが思いも寄らぬ方向へと向かってしまう物語ですが、出演者たちの好演のおかげでかなり印象強い作品になったと思います。

サム役にはマコーレー・カルキンの弟であるロリー・カルキン。兄のロッキー役には「ジュラシック・パーク3」でも有名なトレヴァー・モーガン。この2人の繊細な演技も良かったですが、いじめっ子のジョージ役ジョシュ・ペック、過激気味な友人のスコット・ミシュロウィックも素晴らしかった。

「悪いことだけど皆右にならえ」的な思考になりやすくなる思春期の少年たちの心情を巧く表していましたし、劇中の非情な現実と夏の自然の美しさの対比が見事でした。

ラストも胸が苦しくなるような辛さが残りますが、よくある青春映画とはまた一線違う見応えを感じさせてくれる佳作だと思います。
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