囚人13号

キートンのカメラマンの囚人13号のレビュー・感想・評価

キートンのカメラマン(1928年製作の映画)
5.0
クライテリオン盤にて再見。猿の表情まで判別しうる高画質で観られて幸せです。

失敗し嘲られて尚カメラで現実を捉え続け、全身でメタフィクションを肯定してみせるキートン。『第七天国』ばりの階段ギミックやチャイナタウンも勿論良いがやはりクライマックス、ズームアウトでカメラを回す猿がフレームインしてくるショットは、世界を眼差すことに悉く失敗してきた男がここで初めて(しかも意図せず)被写体側へ回ったというだけの事実に深い動揺を覚える。
偶然に惑わされ続けたキートンが最後に運を味方につけるエンディング、ここにリンドバーグを挿入してしまうセンスはただ最高としか。
囚人13号

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