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es [エス]のcamusonのレビュー・感想・評価

es [エス](2001年製作の映画)
3.5
1971年にアメリカはスタンフォード大学心理学部で行われた監獄実験を素材として、
エンターテインメントへの昇華を狙った作品です。

実験の内容は、新聞広告で集めた被験者を看守役と囚人役に分けて、
2週間の期限で、模擬刑務所でそれぞれの役割を演じさせ、
心理や行動にどのような変化が発生するかを監視カメラで観察するというものです。

主人公の新聞記者は、ネタ欲しさに、この実験の被験者に応募し、
囚人役として実験に参加するのですが、こいつが非常に曲者です。

ネタ欲しさからなのか、真性のバカなのか、看守に対して挑発的な態度を取り、
看守チームvs囚人チームという意識を煽ってしまいます。

これによって、ただでさえあやしい実験の学術的な意味合いが、
更に薄まったように感じられ、
教授が貴重な実験データなどと言っているのが、まぬけに聞こえてしまいます。

2日目には完全に看守と囚人が敵対するようになり、
そこからは、あれよあれよと、狂った方向に進んでしまうのですが、
被験者達は随時監視されているにもかかわらず、
人前で感情的になることへの羞恥がほとんどないので、
あまり現実味を感じることができませんでした。
(文化的な背景の違いによるものかどうかは興味があるところですが)

被験者の心理変化をもっとじっくりと見せて欲しかったですね。
教授や助手による学術的な解説なども付け加えて、
被験者の心理変化や行動に説得力を持たせれば、
もう少しリアルに感じたかも知れませんね。
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