すず

エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ちのすずのレビュー・感想・評価

3.0
大富豪の父親を持つエミリー(アリシア)が誘拐された⁉︎ 身代金100万ドルを要求する犯人は…? 時を同じく、車泥棒のヴィンセント(デル•トロ)はグリーンのBMWを盗み出した。しかし、そのトランクには〝余分な荷物(エクセス•バゲッジ)〟が積み込まれていたのだった…。

エミリーはじゃじゃ馬でトラブルメーカー。気が強くて、物おじせず、素行もすこぶる悪い。承認欲求を満たすために周囲を顧みない大胆なことをしでかす。娘に手を焼く父親は何やら堅気ではない感じだし、危険な香りを醸す叔父のレイ(ウォーケン)や、警察も動いてる。エミリー誘拐事件をめぐるドタバタに巻き込まれていくヴィンセント…。

『トゥルー•ロマンス』だとか、あの辺のテイストを想起させるラブコメorラブロマンス。特段 目新しさはないけど、何より青春の男女の儚くも美しい瞬間が映像化されているよう。ラストシーンはそれを象徴するかのように、印象深くロマンチック。夜の街の片隅の、名もなき2人の、絶対的な世界。そんな輝かしい青春の刻を感じさせて、素敵にほろ苦い。主演の2人も若くて瑞々しいのがまた感慨深い。

音楽がとても印象的で、ジョン•ルーリーのジャジーなスコアをはじめ、デイヴ•マシューズ•バンドやウォールフラワーズ、レッド•ハウス•ペインターズなど、硬派な男のバラードロックが劇中の場面を相乗的に彩り、90年代の哀愁を漂わせながら、いい雰囲気を作り出していた。
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