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怒りのキューバのmareのレビュー・感想・評価

怒りのキューバ(1964年製作の映画)
4.5
怒りというものを最も写実的に記録した超絶怒涛のカメラワークから放たれる四通りの壮絶な戦い。撮影方法もそうだが、ブレーキが壊れそうな怒りのエネルギーをどうやってコントロールしているのか全くわからない。否応なく戦うことへと駆り出されてしまった悲劇の歴史を再現し、画面に映る彼らも命懸けでこのメッセージを刻みつけたに違いない。オムニバスとはいえ一つ一つが濃密、抑圧された民に襲いかかる不条理、怒りの矛先はどうしようもない形でどうすればいいのかもわからずにただただ苦しむことしかできない袋小路がそれぞれに待ち受ける。銃を手にしてしまった者の心理描写があまりにも鋭利。今回108分版を鑑賞したが、これは是非とも完全版でいつか必ず目に焼き付けたい。
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