べらし

怒りのキューバのべらしのレビュー・感想・評価

怒りのキューバ(1964年製作の映画)
4.8
真に優れた映画は国でも個人でもなく世界の全人民に本来属するものだが、今年観た中では『ウエスト・サイド・ストーリー』とコレが当てはまる

この2本に共通する見事な見事な、上昇するカメラワークの意味を考えている
悲運に斃れた死者の魂、それがこれまで正義を勝ち取る為に同じく斃れた魂と一緒になる、
俗世を脱し、新たな次元に達した精神のみが、はるかな天上から残された人々を見守っているというその気高さ
それは必然的に鑑賞者と同じ視点となり、「お前はどうあるべきか」と問いかけてくる

真に普遍的な作家は、現世のことだけを考えているものではないように思う
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