山水亭独居坊

コミック雑誌なんかいらない!の山水亭独居坊のレビュー・感想・評価

4.5
ロス疑惑の三浦にアポ無し突撃インタビュー終盤のグラスに入ったウィスキーをかけられる前にカットが入り、多分恣意性・印象操作みたいなことが表されていて、さらに内田裕也のそこからの〆たと言わんばかりの滲む笑みとも取れる表情が良い。

芸能人の名前はもちろん、山口組とか田岡とか全部実名なのが凄いね、出てくる人も三浦和義とかいるし。

ヤクザの子供役がおそらく関西弁ネイティブじゃないのがセリフくさいというか、格好だけ真似した何もわかってない子供って感じがして良い。

その当時の実際の事件がほぼそのまんま取り上げられてて代わる代わる登場してバブルのなかなか混沌とした空気が出てる。

今、SNSに関わる問題(売買春、違法ドラッグ、誹謗中傷…)だったり、慢性的な不景気だったり、個人がバラバラに孤立してて不安定な感じがあったり、色々言われてるけど、別に今に限ったことじゃないんだよな。
歴史を振り返れば当然でその時代時代の暗部・混沌としたものがあるんだけど、映像で見ると現実感がある。
そういうのを感じさせてくれる良い映画。

70年代終わり、80年代の東京の夏が舞台でシティ感と暑さが伝わってくる映画(太陽を盗んだ男とか)が好きなんだけどこの映画も良いね。

時代は違うけど「結婚できない男」も都会で夏の暑さが伝わってきて良い。

エンドロールに企画と脚本で内田裕也なのは驚いた。

面白かった。