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バンドレロのHKのレビュー・感想・評価

バンドレロ(1968年製作の映画)
3.5
先月亡くなったラクエル・ウェルチを偲んで本作をセレクト。
ウェルチを初めて知ったのはたぶん小学生の頃にTVで見た『恐竜100万年』であり『ミクロの決死圏』。
一番最近見たのは昨年ベルモンド傑作選で再上映された『ムッシュとマドモアゼル』か。
ウェスタンでの出演は本作の他、『100挺のライフル』『女ガンマン皆殺しのメロディ』などが記憶にあります。合掌。

本作の口笛のテーマ曲(ジェリー・ゴールドスミス作曲)が昔から大好きで忘れられず、サントラがみつからないので、内容もよく憶えてないのにDVDを買った過去あり。
口笛のテーマ曲といえばまず思い浮かぶのはモリコーネのマカロニ・ウェスタンでしょうが、本家ハリウッド西部劇にも本作や『誇り高き男』など口笛の名曲があります。
牧歌的でどこか余裕が感じられるのが、同じ口笛でもマカロニとはまた違うところ。

本作ではジェームズ・スチュワート(当時60歳)とディーン・マーティン(当時50歳)が兄弟の銀行強盗を演じます。
逃走の途中で人質として拉致される未亡人がウェルチ(当時28歳)。
それを追うのがウェルチにホの字(←死語?)の保安官ジョージ・ケネディ(当時43歳)。
クライマックスは追われる一行と追う一行に盗賊団“バンドレロ”が加わり三つ巴の乱戦に・・・
監督はアンドリュー・V・マクラグレン(『大西部への道』『チザム』『大いなる決闘』他)。

監督や出演者たちはいかにも正統派ハリウッド西部劇を連想させますが、1968年制作ですから、アメリカン・ニューシネマやマカロニ・ウェスタンの影響もかなり見受けられます。
本作はいろいろと粗もありますが、あらためて観るとなかなか面白く、紅一点のウェルチとアウトロー兄弟2人の逃避行、ラストで一緒にモンタナに行ってやり直そうと話す兄弟のくだりなど、一足早い『明日に向かって撃て!』(1969)と言うと褒め過ぎでしょうか。
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