Automne

ファニーゲームのAutomneのレビュー・感想・評価

ファニーゲーム(1997年製作の映画)
4.1
胸糞&不憫&暴力&サイコ&鬱映画。
変なことは言っていないはずなのに「あれ?」ってなる距離感や存在感のひとってたまに居て、その独特の気色悪さをさらにマシマシにしたような登場人物にぞっとさせられる。特に何も意味がないっていうところがその空虚が1番怖くて、目的があることはある種の人間性の証左なのだなと気づかされる。
緊張に長時間さらされると、急に凪の時間が来た時に感覚が麻痺してしまっていて、最善の解にたどりつくのに少し時間がかかる感じとか、どうしようもなさすぎるときの情緒の狂ったかかり方とか、リアリティがすごかった。エグいものを見てしまった…というどうしたら良いのか分からない感情に包まれている。
頭の良い登場人物を描くにはその登場人物と同等かそれ以上のIQを所持していなければならないというのは製作者の通説であるが、それで言うとハネケはドSドサイコな監督なのだなあと思った。綱渡りをするようなヒヤヒヤした緊張の連続、それによる高揚っていうのはSMの世界観な気がする。“殺す”という終わりが決まっているとして、その過程をどう楽しむか?みたいな非常に非道徳的で頭おかしいやんっていうことを淡々と描いてるのが怖い…😰
ミヒャエル・ハネケの作品は初めて見たけれど、とにかく衝撃がすごい。ただただ唖然とさせられる一作です…
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