真世紀

怪談新耳袋 ノブヒロさんの真世紀のレビュー・感想・評価

怪談新耳袋 ノブヒロさん(2006年製作の映画)
3.9
シングルマザーのエツコ(内山理名)は仕事で知り合った画家のノブヒロさん(平田満)から絵のモデルを依頼され、引き受ける。心中し、断崖から飛び降りるも途中の木の枝に引っ掛かり、息絶えた曾祖父へ共感し、絵のモチーフにもしていたノブヒロ。親交を深める二人だが、幼い娘はノブヒロになつかない。ある日、ノブヒロは自宅で怪死。その日からエツコの周囲に怪異が。そしてノブヒロのエツコへの執着の理由が判明する…。

山の牧場、幽霊マンションなどと並ぶ実話怪談『新耳袋』の大ネタの一つ、死んだ恋人の霊につきまとわれる幽霊ストーカー事件を映画化。ただし、ノブヒロさんのストーカー性を映画ではかなり拡大し、死者も出る。その脚色はちとやり過ぎ(笑)。だが、結構引き込まれる作品になっていて見入ってしまう。

DVD収録のメイキングにはモデルとなった実在のエツコさんも顔は隠してだが登場。あれだけの怪異を体験しながらもその証言にいまだノブヒロさんへの想いが漂っているあたりがなんともいえない。

その他、特典には原作者・木原氏による実話怪談語り三話、さらに豊島監督含む映画秘宝一行が幽霊が出る廃墟に踏み込み、撮影した異常映像も収録と実話怪談好き的には充実。

問題の映像はハンディカムの液晶画面への異変。正常に作動していたのが、敷地に入ってから異変が起こり、映像が乱れ、なぜか人の顔がでろりと溶けたように映る。右頬の部分だけが溶けたように乱れたりだのこういう映像の乱れ方は確かに観たことない不吉さでよし。いわくつきの場所で自分の顔がこんなふうに映ったら大分心臓に悪そうだ。

スコア3.9はこれらの特典も加味して。
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