さくらえび

シベールの日曜日のさくらえびのレビュー・感想・評価

シベールの日曜日(1962年製作の映画)
4.1
心に傷を負った二人が恋をして、お互いの存在で傷を癒していく。純粋で微笑ましい恋愛。ただ年の差が離れていただけ。
記憶を失った帰還兵のピエールは純粋無垢な子供のようで、親に捨てられ孤独な少女フランソワーズは妙に大人びている。大人ではなくなった男と、子供でいられない少女の恋は繊細で常に壊れそうな危うさがあった。

映像の美しさが印象的で、パリ郊外のビル・ダヴレイの景観の一つ一つを印象的に映す撮影が素晴らしい。幻想的で美しい映像でした。
この作品のテーマの一つにキリスト教的な価値観からの脱却、アニミズム的な価値観の肯定がある。映像でも木々や水、炎の神秘を捉えていた様に感じた。