どぅぐ

ALWAYS 三丁目の夕日のどぅぐのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)
4.3
大学の講義で扱うため、約10年ぶりに視聴。

物語の展開はなんとなく覚えていたけれど、正直、これほど感動的で完成度の高い名作だったとは思いもしていなかった。
中学生の頃とは感じ方が全く変わっていたからだろう、当時、自分以外の家族が揃って号泣していた理由が今ならわかる。10年越しの共感をした。

何個か好きな場面はある。
1つは、淳之介と一平が夜遅くに帰ってきた時に、茶川が淳之介を引っぱたいた所。
その意外さに、一同がびっくりするのだけど、ここ、上手いなぁ、、
作った人本当にすごい。

それから、
茶川が指輪の空箱を見せた時のヒロミの「付けて」ってセリフも、素晴らしい。ヒロミを演じた小雪も素晴らしいけれど、思いついた原作者?脚本家?をすこぶる尊敬する。

講義では、
夕日が持つ「迎え」や「おかえりなさい」のイメージは、近代以降に学校制度ともに
生まれたということ。
夕日の与える印象は、走れメロス、劇場版エヴァなど、多くの作品にも効果的に使われていて、我々は意識せず知らず知らずのうちに繰り返し消費してきているし、毎度、作者の手のひらで踊らされているということ。いい意味で。
学校のなかった時代の日本や、現在でも学校制度が無い国では、夕日に対する共通イメージを持たないため、我々が抱くような、早く迎えに来て欲しいという切迫感も、家族の元へ帰れたという安心感も、生まれることは無いらしい。

何が言いたいのかといえば、作品を見る時、我々はどのように解釈するかも同時に手渡されているということ云々。

三丁目の夕日は、
獲得と喪失の繰り返しの描き方が巧みでありつつ、あざとくもある等々。
これは、長いので割愛。

とにもかくにも、こういう機会じゃないと昔の邦画は見ないから、良かった。
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