ぴよまろ

ALWAYS 三丁目の夕日のぴよまろのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)
3.2
西岸良平原作漫画の実写映画化。昭和33年の東京下町を舞台に、裕福ではないが慎ましくも楽しく暮らす人々を描いた群像劇。

山崎貴監督と古沢良太脚本の出世作。この2人の作風がとてもマッチして、美しい物語に仕上がり、当時を知らないはずなのになぜか懐かしさを感じさせられる力を持った作品。昭和を美化しまくった懐古主義映画、と思う一方で、あくまでエンタメとして「昭和という名の理想郷」を作り上げたのは見事ですね。

主人公は茶川(吉岡秀隆)なわけですが、彼の周囲の人々や環境を、群像劇として表現して、人情・温もりといった昭和を連想させるテーマでつないでいく物語が秀逸でした。物語の方向性が一貫しているので、登場人物が交差しても話がブレない、当たり前かもしれませんが、さすがの脚本力でした。一方で、一つ一つのエピソードはぶつ切り感があるので、物語の主筋は正直見えにくかったです。(それでも茶川のプロポーズは名シーン)

リアルさではなく、エンタメとしての美しさをみせてくれた作品でした。
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