ゆずきよ

ALWAYS 三丁目の夕日のゆずきよのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)
4.0
15年くらい前、金曜ロードショーで鑑賞中に寝落ちしてしまった作品。
きちんと見返せねばと思っていましたがこんなに遅くなってしまった。
前評判は聞いているし泣けると聞くと泣けないのでフラットな気持ちで楽しめるように心がけます。

物語は、東京の下町に住む売れない作家の吉岡秀隆が駄菓子屋を経営していてひょんな事から須賀健太と暮らし出す。
一方、堀北真希は都会での暮らしを夢見ながら堤真一の小さな自動車修理工場へと入職した。
懐かしさは全く無いのだけれど何処か安心する映像。
私がきっと世代では無いにしてもこういう時代が好きなのだと思います。
最初に見た時は前半の所で寝落ちしてしまっていたので内容はあまり記憶にありませんでした。
堤真一のステレオタイプ昭和親父と吉岡秀隆の大人しめクズ青年が中々面白い。
今では通報される可能性の高い行動もこの時代なら…と許されてしまうのが不思議。
少し古い映像もそもそもが古い時代の設定なので全く気にならないのはこの映画の強みの一つだと思います。
多少の誇張はあるにしても教科書代わりで後世に残したい映画です。
話がいくつかの視点で展開されているので盛り上がりがいくつもあり飽きずに観れます。
なんで寝落ちしたんだろ…。
最初の山場である堀北真希と堤真一の雪解けは全然余裕でしたが、吉岡秀隆と須賀健太の絆でかなり涙腺を刺激され、手紙のシーンはもう無理でした。
あと小日向文世がめちゃくちゃ嫌いになります。
細かいシーンで言えば、便利になる世の中には行き場を無くす職業の人もいたんだなという発見も。
脇を固める三浦友和、薬師丸ひろ子、もたいまさこなども名演でした。
これは確かに評価高いわ。
終盤はこの映画らしくゆらりとしたラストで個人的に大満足。

きっと最初にこの映画を観た時はまだ学生だった事もあり感情移入が出来にくかったのかも知れません。
歳を重ねれば重ねるほど見応えのある映画な気がします。
私も子供達と映画を観る際に、自分が理解出来ないからと言って面白く無いと言ってはいけないと伝えています。
合う合わないはあるし退屈に感じる映画はあります。
ただそれは自分の視点からの話だし、その時の環境や感情、立ち位置によって見え方は変わるものだと思っています。
今はド派手なアクションやコテコテの恋愛映画が好きな子供達ですが、今はつまらないなと思った映画も数年後に見返してみて欲しいものです。
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