あきしげ

ALWAYS 三丁目の夕日のあきしげのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日(2005年製作の映画)
3.5
西岸良平の漫画が原作。
山崎貴が監督を務める。

ノスタルジーという言葉を体現。
それこそが本作と言えるだろう。

古き良き昭和30年代の日本。
高度経済成長期の日本が舞台。
東京の下町が繰り広げる物語。

二つのエピソードが同時進行します。
鈴木家と六子、茶川竜之介と淳之介。
外から来た二人の登場が物語の起点。

鈴木家は昭和らしい家族。
威厳と激しさを持つ父親、
縁の下の力持ちの母親に、
外で遊ぶやんちゃな息子、
古き良き日本の家族です。

そこへ集団就職でやって来る六子。
東北弁訛りの彼女は覚悟を持って、
大都会・東京へとやって来ました。

一方で茶川竜之介なる男。
文学青年で一流小説家を、
夢見ている三流小説家だ。

そこへ身寄りのない淳之介が来る。
来た当初は口数が少なかった少年。
憧れる小説家に会って一変します。

二つのエピソードに共通するテーマ。
それは人と人の心温まる交流だろう。
家族ではない赤の他人を受け入れる。
この二つのテーマを盛り込んだ本作。

時代背景も手伝い、
二つのエピソード、
上手く解け合って、
物語を盛り上げる。

その中でちょっとした演出に、
時代の移り変わりがあります。
氷屋が見せた悲しい表情など、
時代が変わる様子を見せます。

人と人の交流が希薄となった現代、
あの頃は人と人の隔たりはなくて、
町という大きな家族を感じさせる。

年齢を重ねれば本作の良さが分かる。
10年経過した今だから理解できる。
青臭いガキだった頃の自分と比較し、
今の方がずっと感動できる作品です。
あきしげ

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