西岸良平の漫画が原作。
山崎貴が監督を務める。
ノスタルジーという言葉を体現。
それこそが本作と言えるだろう。
古き良き昭和30年代の日本。
高度経済成長期の日本が舞台。
東京の下町が繰り広げる物語。
二つのエピソードが同時進行します。
鈴木家と六子、茶川竜之介と淳之介。
外から来た二人の登場が物語の起点。
鈴木家は昭和らしい家族。
威厳と激しさを持つ父親、
縁の下の力持ちの母親に、
外で遊ぶやんちゃな息子、
古き良き日本の家族です。
そこへ集団就職でやって来る六子。
東北弁訛りの彼女は覚悟を持って、
大都会・東京へとやって来ました。
一方で茶川竜之介なる男。
文学青年で一流小説家を、
夢見ている三流小説家だ。
そこへ身寄りのない淳之介が来る。
来た当初は口数が少なかった少年。
憧れる小説家に会って一変します。
二つのエピソードに共通するテーマ。
それは人と人の心温まる交流だろう。
家族ではない赤の他人を受け入れる。
この二つのテーマを盛り込んだ本作。
時代背景も手伝い、
二つのエピソード、
上手く解け合って、
物語を盛り上げる。
その中でちょっとした演出に、
時代の移り変わりがあります。
氷屋が見せた悲しい表情など、
時代が変わる様子を見せます。
人と人の交流が希薄となった現代、
あの頃は人と人の隔たりはなくて、
町という大きな家族を感じさせる。
年齢を重ねれば本作の良さが分かる。
10年経過した今だから理解できる。
青臭いガキだった頃の自分と比較し、
今の方がずっと感動できる作品です。