大好きなフランソワ・オゾン監督による小気味よいフレンチコメディ。
ブルジョワ階級の主婦が独自の感性と価値観で、夫の経営する雨傘工場を再建させていく。
オゾンの作品の中ではかなりユーモラスでコメディ要素が強い。
キャラクターみんながそれぞれチャーミングで愛おしい。
確かに夫は独裁的だし、ババンもなんかだらしないし、娘も少し独善的な気もする。
それでもオゾンの朗らかな演出と、スザンヌの快活な性格と度量によって、映画全体が明るくなっている。
秘密や嘘を抱えつつ、素晴らしい愛や思い出も抱えている。
そんな、人間のダサくて愛おしい面がストーリー全体から伝わってくる。
女性蔑視に対するアプローチとしても、ひとつのカタチを提示している気がする。
カトリーヌ・ドヌーヴの演技は魅力的。