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しあわせの雨傘のkojikojiのレビュー・感想・評価

しあわせの雨傘(2010年製作の映画)
3.5
No.1555
2023.12.06視聴
オゾン−12作目(2010)9/31

オゾン監督のこれまでの映画とはちょっと違った新たな路線だろうか。

主人公ロベールを演じるファブリス・ルキーニが登場すると、どうしてもコメディの要素が加わるが、分類はハートフルホームドラマということになるだろう。女性自立の映画ということもできるかもしれないが、強烈にそれがアピールされるわけではない。ほんわかした映画だ。

「8人の女たち」(2002年)から8年ぶりにオゾン監督とカトリーヌ・ドヌーブが再びタッグを組んだことになる。

ブルジョワ主婦のスザンヌ(ドヌーブ)は、雨傘工場を経営する亭主関白な夫ロベールと朝からジョギングを楽しむような優雅でしかしどこか退屈な毎日を送っていた。ある日、心臓発作で倒れたロベールに代わり、スザンヌが工場の運営を任されてしまう。元々この工場は彼女の父が経営していて、結婚の持参金がわりに夫に引き継がれたものだ。彼女は主婦ならではの感性で、傾きかけていた工場を見事に立て直すが……。

ドヌーブが「8人のおんな達」で味をしめたのか、再びダンスと歌を披露する。しかもちょっといいぐらいの感じで。
この時ドヌーブは67歳。美しさも見せてくれるが、ドヌーブファンとしては、あとちょっと体を絞って欲しかったかな。映画の始まりでジョギングもしていることだし。

元恋人で市長役ジェラール・ドパルデューはフランスでは(世界でかもしれないが)高い評価を受けているようだが私は好きなタイプの俳優ではない。ドヌーブとは「終電車」で共演していて、そのレビューでも書いたが、ドヌーブファンとしては彼はドヌーブの相手役には似合わない。この映画、特に不満はないが、これだけは私はダメだ。
(勝手なファンの独り言ー。もう少しいい男はいなかったのか。)
しかし、全体的はなんだかほんわかムードの楽しい映画で満足した。

 それで、評価は相手役のー0.1を差し引いて3.5とする。
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