櫻子の勝手にシネマ

しあわせの雨傘の櫻子の勝手にシネマのレビュー・感想・評価

しあわせの雨傘(2010年製作の映画)
4.0
真っ赤なジャージ姿の大女優カトリーヌ・ドヌーヴ樣に目が釘付けになり、思わず手がDVDに伸びてTSUTAYAのレジへ。
 
物語の舞台は1977年のフランス。
原題の『Potiche(ポティッシュ)』とは、棚や暖炉の上に飾られる豪華だけど実用性のない花瓶や壺という意味。

主人公のスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、雨傘工場を経営する夫を持つセレブ主婦。家事は全てお手伝いさんに丸投げ、ジョギングや美容に勤しむ、優雅だけど退屈な毎日を過ごしている有閑マダム。
夫はスザンヌをお飾り扱いして家事も仕事もさせないで亭主関白として振る舞い、さらには秘書と浮気までしている始末。
そんな母親を娘は見下し、唯一の跡取り息子は工場の仕事には全く興味がない様子。

そんな中、あることをきっかけに夫の代わりにスザンヌが工場の経営を運営することに。
今まで仕事なんてしたこともなく、専業主婦しか知らない彼女だったが、従業員に対しても家族に対するような思いやりを持って接した結果、従業員からの支持を得るように。
スザンヌは今までの退屈な毎日から解放され、打って変わっていきいきと仕事に取り組み始める。
ところがそこに夫が戻って来てスザンヌの成功を妬み、裏で手を回してスザンヌを工場から追い出してしまう。
スザンヌは夫と離婚し、政治進出をすることを決意。
そして、スザンヌは市長選に見事当選し、市長としての栄誉を手に入れる。

社会の中に自分の居場所を探す女性を描いた作品を作りたかったという監督の言葉どおり、生き生きとした表情で働くスザンヌを応援したくなる。

衣裳や調度品がとても素敵で可愛らしく、参考にしたいデザインや色彩が沢山あった。
特にイエローのキッチンとブルーのベッドはすぐにでも真似したい(笑)

スザンヌの役を日本の女優に置き換えるとしたら誰かな…と勝手に想像してみたら、松坂慶子さんがパッと頭に浮かんだ。
松坂慶子さんもお茶目で可愛らしい主婦の役がとてもお似合いだしお上手だからかな?

ほのぼのしたい時や、ほんわかしたい時にオススメの一本です。