ちろる

しあわせの雨傘のちろるのレビュー・感想・評価

しあわせの雨傘(2010年製作の映画)
3.8
レビューし忘れ備忘録。

フランソワ・オゾンによる女性賛歌に満ちたミュージカル作品。
亭主関白で、旦那の言いなりになっていた、カトリーヌ・ドヌーブ演じるブルジョワ妻スザンヌが、夫の急病をきっかけに突然雨傘工場の経営を任されることに・・・
自分では何にもできないと思い込んでいた中年女性が、才能を開花させて「自分の人生」を見つけ出していく。
脚本はシンプル、そしてテーマもよくあるものですが、見所としては、カトリーヌ自身が主演した「ロシュフォールの恋人たち」や「シェルブールの雨傘」を彷彿とさせる、コケテッシュなダンスシーンや、カラフルな傘の映像を散りばめている点。
オゾンの、ジャック・ドゥミ&アニエス・ヴァルダへのリスペクトが所々にあるので楽しめます。
あともう一つはなんと言ってもジャケットにもあるカトリーヌのジャージ姿!!
エレガントな装いが印象的なカトリーヌにこんな真っ赤なジャージ着せちゃうフランソワ・オゾン・・・ウケます。
そしてジャージでもやっぱ様になるのがすごいです。
あっと驚くような仕掛けがあるわけでも無いのですが、前時代的な空気感で生きてきた何者でもなかった女性が、中年になって生きがいを見つけるこんな話は、やっぱり勇気と元気がもらえる。
いつでも何歳からでも「自分の人生」を見つけ出すことができるんだと教えてくれる作品なので特にたくさんの女性に観て欲しいてます。
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