藤田敏八が監督を務めた、1974年公開のシリーズ第2弾。
壮絶なアクションと殺伐とした物語で大ヒットを記録した『修羅雪姫』の続編となる今作では、父母の仇を討った修羅雪姫こと鹿島雪が殺し屋として雇われたことにより再び死闘を繰り広げる姿が描かれます。まず印象的だったのは、開幕早々繰り広げられるワンショットでの殺戮シーンです。冒頭から主人公の華麗な殺陣シーンで観客の心を掴むと共に彼女の背景や位置付けを端的に示すこのアバンタイトルは、2作目ならではとも言える非常にスマートな幕開けでした。ただ今作は『怨み恋歌』というタイトルという割に、復讐譚としての力強さは前作と比べると明らかに希薄だと思います。というのも主人公・雪の復讐は前作で既に果たされているので、今回は前作のヒットを受けて元々完結していた物語を半ば強引に引っ張った感じが否めません。今作は『修羅雪姫』の続編というよりも、どちらかと言えば「女囚さそり」シリーズのような反体制的な作品という印象が強いです(さそりシリーズの1作目と2作目以降の変容とも非常に近い)。加えて今回は原田芳雄や伊丹十三などの豪華キャストが配役されている為なのか、今作における雪は全体的にあまりおいしくない役回りでした。その為前作での復讐に燃える雪の姿にこそ大いに唸らされた自分にとっては若干の物足りなさを感じる2作目でもあります。
とは言え今回もバイオレンス描写は健在ですし、個人的には梶芽衣子のカッコ良さだけで十分満足出来ました。1作目の雰囲気とは異なるものの「これはこれで違った魅力を持つ2作目」、自分はこういう続編も大好きです。ちなみに梶さんは出世作『女囚701号/さそり』から今作に至るまでの2年間で10本もの作品に出演したそう、今だと考えられませんよね。雪の活躍をもっともっと観てみたかったですが、残念ながら修羅雪姫シリーズは今作で打ち止めとなりました。ただ自分はすっかり梶さんのファンになってしまいましたので、またさそりシリーズと合わせて観直そうかと思います。
マジックミラー好きねぇ。