【別物語として佳作】
梶芽衣子主演の『修羅雪姫』の続編。
続編ではあるのですが、別の物語と考えたほうがいい。
というのは、最初のあたりこそヒロインとそれを追う官憲の場面が続くので、前作の延長線上の話かと思うのですが、それが一段落した後は前作とは別の種類の人たちが登場するからです。
つまり、明治時代の無政府主義者、貧民街で医者をしているその弟、そして無政府主義者や貧民の敵であるエリート階層と官憲です。
この映画はそこが主体なのであって、修羅雪姫はそうした中に織り込まれた紅い糸のようなもの。目立つ糸ではあるのですが、あくまで模様としての役割しか持っていないのです。
だからダメと見るか、続編と称していても別物語として評価するかは、人それぞれでしょう。私は後者、評価する派です。
伊丹十三と原田芳雄の兄弟の配役が活きていますね。悪役側も悪くない。