ほしの

修羅雪姫 怨み恋歌のほしののレビュー・感想・評価

修羅雪姫 怨み恋歌(1974年製作の映画)
4.5
冒頭、歩きながらだるそうに男を斬っていく長回しがすごくいい。そして全員を斬り捨て、最後の1人は血を流しながら池に落ちて死ぬ。血が池ににじむ。その池の水で喉を潤す姿にトリハダがたった。

前作で母親の怨みを晴らし、修羅雪姫から鹿島雪になった梶芽衣子。ずっと憎き敵を討つためにしか生きてなかったためか、いわゆる、「何をしたらいいのかわからない若者」状態の梶芽衣子。日々の暮らしの糧とすべく無為に殺人稼業に勤しんでいたよう。

ある日、山を散策していると獣用の罠、トラバサミに足をとられる。痛い。でも梶芽衣子は泣かない。梶芽衣子は獣並みの危険さ強さ。そこである人に助けられる。やはりトラバサミは象徴的で今後の「何かにとらわれる人生」を暗示。

その後捕まったり、裏口で出されたり、で、アナキストの女中になる。高い声で愛想よく鹿島雪、梶芽衣子。セクハラされてキャッと言う、なんかちぐはぐな感じの鹿島雪、梶芽衣子。このあと話はアナキストメインに、そばで見る梶芽衣子。

貧民街焼き討ちとかペスト責めとかされるアナキストや他の人たちの怨みをはらすため、また修羅雪姫になる。

鹿島雪が鹿島雪として、修羅雪姫を選択的に使いながら、生きる。やはり美しい。

しかしもっともっと圧倒的なのは岸田森だった!やはり岸田森はすごい!
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