円柱野郎

十二人の怒れる男の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

裁判後の陪審員控え室を舞台に、有罪・無罪を巡り白熱した討論が繰り広げられる様を描いた密室劇。

序盤、11対1で有罪だった意見が、一人の陪審員の疑問から意見が変わっていく様がスリリングで実に面白い。
「疑わしきは罰せず」を理念として考えれば、このケースの場合は証拠に疑問が多く、そもそも用意された話としては無罪なんだと思われる。
でもこの映画で描いているのは事件そのものではなく、密室で行われる陪審員の討論そのもの。
12人各が様々な考え方を持ち、意見をぶつけていく。
その迫力たるや、見事。

展開としては、観客側から見ると“無罪の論拠”となる情報が小出しにされるので、否応なくどんでん返し的な展開になってしまい、少々強引な気がするかも。
「最初から分かってれば無罪やと思うやん」と思わなくもないが、それでもグイグイ引き込まれるくらい面白いことには変わりない。

それと同時に市民が裁判に参加するという意味についても考えさせられる作品だった。
「人の人生を5分で決めるのか?話し合おう」今後日本でも無縁ではなくなる話だからね。
円柱野郎

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