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十二人の怒れる男のヒューのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.4
父親を殺した容疑で裁判にかけられた少年。電気椅子送りにするか、無罪とするかは12人の男たちにかかっている。早く帰りたい者、疑う余地もなく電気椅子送りにしたい者、不自然な点に納得できない者。1人の意見から徐々に議論が掘り下げられていく。

陪審員として呼ばれたこと以外何の接点もない男たちの怒涛の密室での会話劇、ただそれだけ。脚本とキャスト次第で決まってしまうのがこの手の作品ですがこれは良作。事件や裁判の場面はほぼなく言葉を元にこちら側も推測していき徐々に明らかになる矛盾点。その一方で無罪ではないかという特に根拠のない考えもまた同調圧力によるものではないかと感じた。密室でごく普通の男十二人というのは演技力が求められるものでしょう。私はヘンリー・フォンダしか存じ上げませんが皆さん揃って説得力のある演技です。

1度だけ少年の顔が映し出されるがそれが何故か凄く印象に残ってる。陪審員8番と共にどこまでも考えさせられる、シンプルながら深い作品でした。
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