Blake1757

十二人の怒れる男のBlake1757のレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
3.5
まったく個人的なことだが、僕は昨年(2023年)11月に、「裁判員候補者名簿に登録」された旨の通知を受け取った。まだ具体的な事件の裁判員に選任されたわけではないが、今年(2024年)中に選任される可能性がある。そんなこともあって、シドニー・ルメットのこの作品をDVDで観ることにした。
完全に評価が定まっている名作であって、ほぼずっと陪審員の議論を撮っているだけなのだが、映像的な躍動感もあり飽きさせない。
劇中の後半、やや太った男性が自らの「(特定人種への)偏見」を露呈させる中、周囲の陪審員たちが1人ずつ席を立ってこの男性に背を向けていくシーンが、とても印象的だった(俳優たちの舞台演劇的な演技をしっかりと一台のキャメラが捉えていた)。
プロット的には、最後の一人の「変心(を妨げていた)」の動機の置き方がややセンチメンタルに過ぎたようには思えたものの、それを差し引いても「名作」という印象はもちろん変わらない。
(また、別の視点からは、この映画が作られた1957年には12人の陪審員全員が白人男性であることが「普通」だったということも、今から見れば驚きではある)
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