さみわん

十二人の怒れる男のさみわんのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
3.6
陪審員制を語る時によく名前が挙がる古典名作。閉鎖的な空間でのほぼ会話だけの展開だが、非常に見応えがある。協議の中で一人一人の考えが動く様がとても面白い。古い映画なので少し古い考えが目立つが、色々なタイプの人間がいて良い。


★ここから少しネタバレ感想



本作の面白いところは圧倒的な少数派が多数派を覆すところだと思う。痛快だし、爽やかな感動があって非常に面白い。

一方で感じるのは人が人を裁く難しさだ。
本作は結局息子が実際に父親を殺したのか?は明らかになってはいない。だが12人の男達は充実感を持って帰っていく。果たして彼らは正しかったのだろうか?数時間前までと逆の考えになることもそうだし、その根拠も実は憶測の域を出ない物が多い気はする。また同調圧力を感じるシーンが多いのも印象的だ。今回は無実の若者が救われたと信じたい。人が人を正確に裁く事は、やはり非常に難しく、限りなく危ういものだと感じる。
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