あかぬ

十二人の怒れる男のあかぬのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
5.0
異なる人種、生い立ち、職業の十二人の陪審員たちがそれぞれの知恵を出し合い、様々な視点から検察に並べられた証拠について議論・検証していく。互いに素性をよく知らない男たちがうだる暑さの密室の中、白熱の議論を交わし、事件の矛盾を炙り出していく過程は何一つ無駄がなく素晴らしい。面白すぎる。
後半の考えなしな偏見だけで固めた意見を連発する9番に呆れて、皆が次々と席を外していくシーン。意気消沈して動けなくなった9番と、誰一人として視線を交わすことなく別々の方向を向く11人の構図がカッコよすぎてあのカットのポスターが欲しくなりまんた。商品化希望。
そしてラストへの着地は、拍手を送りたくなるほど見事!見事!

たったひとつの部屋で12人の男たちが議論を交わしていく、ただそれだけなのにラストまで画面から目が離せない、まさに脚本の大勝利。キャラクターひとりひとりのパーソナリティも時々垣間見えてよかった。凄すぎ。
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