じょうパン

十二人の怒れる男のじょうパンのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.0
古さを感じない面白さでした。
会話劇の中でもかなり想像しやすく頭に入りやすくて観やすかったです。

◻️脚本
決してどんでん返しのような要素はほとんどなく、また場面の移り変わりはなくても、会話の内容だけで事件当日や裁判の様子を勝手に想像しながら観れたので、凄い脚本だなと感じました。
最初は1対11だったのに、1人の疑問をきっかけに最後は12対0になる爽快感があって良かった。無罪の人の主張を聞いてて、老人は15秒でベットから起きて玄関のドアを開けれたのか、電車の騒音を聞きながら倒れる音が聞こえたのか、45歳くらいの女性はメガネを掛けていなくても見えたのか、ナイフは上向に刺したのか、など疑問が浮かんでいる時点で有罪にするのは間違っているなと思いましたし、納得できるくらい筋が通っていて面白かったです。
有罪と言っていた人も無罪と意見が変わり、話が始まる前までは皆、自分のこの後の予定しか考えていなかったのが、「5秒で人の命を決めていいのか?」みたいなセリフをきっかけに、全員が一つの命の責任を感じるようになり変わっていく様子が良かった。有罪か無罪かを議論する映画ですが、その中で命の取り扱いみたいなものをテーマに感じました。
最終的に事実が明らかになるわけではないのにここまで楽しめるのが不思議でした。

◻️映像
最初らへんはあまりカットを割らずにワンカットで撮っているところが多く、観ていてスゲーなと思いました。また終盤にかけて寄りの画角が多く画角の使い分けが上手いなと感じました。

◻️まとめ
個人的に昔の白黒映画は苦手なのですが、この作品は退屈せずに観れました。
想像を膨らませて観れる作品で面白かったです。全員にオススメできます。

2024 53本目
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