菓子味屋

十二人の怒れる男の菓子味屋のレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.1
三谷幸喜の本作のオマージュ作品は見ていて、前々から興味があって満を持して初鑑賞。

理知的な密室劇

各キャラクタの個性、道徳的なものの考え、ロジカルシンキングによってマイノリティがマジョリティになっていく様など、面白い要素がたくさんあるが、自分が1番この映画ですごいと思った点は、無駄の排除にこそあると思う。登場人物の名前がない設定や、論点になっている事件の裁判ですら設定のフリに使用し95分という短い仕上がりで、シンプルに有罪か無罪のバランスゲームに昇華している点は圧巻だと感じた。

また喫煙者の多さや、室温の高さや、夕立によるジメジメ感など、あの居心地の悪そうな部屋の雰囲気が手に取るようにわかるのも没入感に直結している。

昔の作品なので出演者は誰も知らなかったけど、面白さを製作かかった費用で割戻しコスパを測ったら、今まで見たものの中でダントツな気がする。
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