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十二人の怒れる男のxavierのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.5
映画の良し悪しは、脚本が良いか悪いかで出るんだろうなぁ…
父親殺しの罪に問われた少年の裁判。法廷に提出された証拠や証言は被告人である少年に圧倒的に不利なものばかりで有り陪審員の大方は少年の有罪を確信していた。全陪審員一致で有罪になると思われたところただ一人、陪審員8番だけが少年の無罪を主張する。彼は他の陪審員たちに固定観念に囚われず証拠の疑わしき点を再検証する事を要求するが…
ストーリーはこんな感じ。
最初はアメリカのテレビドラマとして放映され、それから3年後に劇場映画としてリメイクされたらしい。そしてこの映画は、ロシアやインドでもリメイクされている。
作品中の陪審員は、教師、銀行員、会社経営者、自営業に労働者などさまざま。因みに無罪を最初から主張する陪審員8番は建築家で演じているのはヘンリー・フォンダ

プレッシャーを掛けてるよな。判事は有罪ならば死刑を求刑するって陪審員の前で言うんだから…っていうシーンから、この作品は始まる。
最初から無罪を主張していたのは陪審員8番だけ。でも彼は少年が無罪だという確固たる確証はない。ただ証拠や証言の細かい所に納得が出来ないから有罪とは言えなかっただけだった。だから、最初にケツを取った時も、自分以外が全て有罪ならば、それに従うと発言しているしね。

という感じで始まった陪審員たちの話し合い。圧倒的な有罪への風向きが話し合いを進める中で徐々に変わっていく。
その中心にいるのが陪審員8番なんだけど
彼の発言は理路整然としていて説得力があったもんな。
"列車の騒音がうるさい中で言い争う言葉が聞こえるのか?"とか"足の悪い老人が果たして15秒でドアまで行けるのか?"などと観てる方でも"そうだよなぁ…"って思ってしまうぐらい。そりゃ、無罪に傾く人が増えていくのも解る。
一方、頑として有罪を主張する陪審員の中には8番みたいに理論立ててハッキリ主張する人もいれば、被告人が悪く見えるから犯人なんだと何の確証もない人もいるしね
その双方の主張合戦は見応えがあったよね
一方がこう言えば、もう一方はそう答えるとかね。それはそれは熱く激しい物で…

こうやって観ていると、話し及び脚本が大事なんだなぁ思うよね。
最後まで見入っちゃたもんね…
この作品の原作者&脚本のレジナルド・ローズが実際、殺人事件の陪審員を務めた事が有るって言うのもあるかもね。経験していることだから説得力が増すって事もあるだろうしね。

それにしても60年も前の作品とは思えないぐらい見応えのある作品でしたねぇ…
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