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十二人の怒れる男のあのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.8
そんなつもりで来たわけじゃない人たちが気づけば胸の内を全てさらけ出していた。
話し合いが終わったテーブルの上には吸い殻や新聞くらいしか無かったが目には見えない主義や主張に埋め尽くされているだろう。
怒れる男たちとあるが帰路につく面々は足取りが軽いようにも見える。

「問う」ような内容だったけどあんまり説教臭くなくて面白かった。
スラム偏見おじさんの話はそもそも聞かないところとか見てる方もうんざりしてたし、あからさまにやることでちょっとコミカルになって良いね。
有罪派で番号順に話していこう! つってるのに無罪派の人が話すことになって結局最後まで順番を回さないみたいな、劇中で決めたことをあっさり破られると自分の想定なんて浅はかだと思い知らされる。
勿論シナリオがあるんだけど、神のみぞ知るみたいな錯覚に陥れてくれて気持ち良い。
観客向けのヤニ休憩があったり名前を出さないことで覚えることを減らしてくれたり優しいところも良いです。

膝を突き合わせて話し合う。男だ女だではなく言葉を持ち合わせているから出来ることやないですか。
あ